原宿 歯医者 虫歯治療 親知らず抜歯 矯正歯科 インプラント治療

column

〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-55-11 ヴィラパルテノンアネックス101

お問い合わせ03-5772-6497

歯科コラムの記事 column -

歯科コラム

根管治療とは?「歯の神経を抜く」治療の目的と失敗しないための注意点

虫歯が進行して「歯の神経を抜かなければならない」と説明を受けたとき、多くの方が不安や疑問を抱くのではないでしょうか。歯の神経を失うことへの恐怖や、治療に伴う痛み、そして「本当に歯を残せるのか」という懸念は、誰もが感じる自然な反応です。根管治療(こんかんちりょう)は、重度になった虫歯から自分の歯を守り、抜歯を避けるための極めて重要なステップです。治療の目的や具体的なプロセスを正しく理解することで、不安を解消し、納得のいく治療を選択するための第一歩を踏み出しましょう。

根管治療とは?歯を残すための大切な治療

根管治療とは、歯の内部にある細い管(根管)の治療を指します。虫歯が進行して歯の深い部分にまで細菌が侵入した際、歯を抜かずに保存するために行われる専門的な治療法です。

「歯の神経を抜く」とはどういうことか

歯の内側には「歯髄(しずい)」と呼ばれる組織があり、そこには多くの神経や血管が走行しています。歯髄は、冷たいものがしみる感覚や虫歯による痛みなどの感覚を伝えるほか、歯に栄養を供給する大切な役割を担っています。しかし、深い虫歯などによって細菌がこの歯髄腔に入り込むと、神経を刺激して激しい痛みが生じたり、組織が壊死してしまったりします。「歯の神経を抜く」とは、このように細菌に感染して痛みの原因となっている歯髄を取り除き、根管の内部を清掃することを意味します。

根管治療の目的は歯を抜かずに保存すること

もし根管治療を行わなければ、細菌感染がさらに進行して歯の根の周囲の骨にまで影響が及び、最終的には歯を抜かざるを得なくなります。根管治療の最大の目的は、感染した組織や細菌をきれいに除去・消毒し、その隙間を塞ぐことで、歯を抜かずに本来の噛む機能を維持することです。この治療が適切に行われ、感染が十分に除去されれば、抜歯を回避し、将来にわたって自分の歯を長く残せる可能性が高まります。

根管治療が必要になる主な症状・ケース

どのような状態になると根管治療を検討する必要があるのでしょうか。主なケースとして、急激な痛みが生じている段階から、一見すると痛みが消えたように感じられる段階まで、いくつかの代表的な状況が挙げられます。

重度の虫歯で神経まで炎症が起きている(歯髄炎)

虫歯の細菌が歯髄にまで到達すると「歯髄炎(しずいえん)」を引き起こします。炎症が元に戻らない「不可逆性歯髄炎」にまで進行すると、最初は冷たいものがしみる程度ですが、やがて何もしなくてもズキズキ・ジンジンとした激しい痛みが続くようになります。さらに悪化すると温かいもので痛みが強くなる特徴があり、この段階では速やかに感染部分を取り除く治療が必要になります。

歯の根の先に膿が溜まっている(根尖性歯周炎)

歯髄の炎症を治療せずに放置していると、やがて神経の活動が完全に失われる「歯髄壊死(しずいええし)」が起こります。神経が死んでしまうと温度や刺激に対する痛みは感じなくなりますが、細菌が根の先端から骨の中へと侵入を続けています。これにより根の先に膿が溜まる「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」を引き起こします。噛むと違和感や痛みがある、歯茎から膿が出る、歯茎にニキビのようなおできができるといった症状が特徴です。

過去に治療した歯が再び感染した

過去に一度根管治療を終えて神経を抜いた歯であっても、時間の経過とともに再感染を起こすことがあります。被せ物の隙間から新たな虫歯(二次う蝕)が発生したり、根管内にわずかに残っていた細菌が増殖したりすることが原因です。神経を抜いた歯にはもう痛みを感じるセンサーがありませんが、感染が根の先まで広がって骨に炎症が及ぶと、噛んだときの痛みや歯茎の腫れとして症状が現れます。

歯を強くぶつけるなどの外傷

転倒や衝突などで歯を強くぶつけると、外見上は問題がなくても、歯の根元で神経や血管が断裂してしまうことがあります。また、重度の外傷を経験した歯では、後に進行性の歯根吸収(外部吸収など、歯の根が溶けてしまう現象)が始まるリスクがあります。こうした外傷によるトラブルや歯髄の露出が起きた場合にも、歯根吸収を食い止めるために根管治療が選択されることがあります。

根管治療の具体的な流れと期間

根管治療は非常に細かく、精緻な作業の積み重ねです。治療がどのようなステップで進むのか、全体像を把握しておくことで、通院中の見通しが立ちやすくなります。

ステップ1:麻酔と感染部位の除去

まずは痛みを抑えるために治療の第一段階として歯科麻酔剤を使用します。麻酔が十分に効いたことを確認した上で、虫歯に冒された部分の歯を削り、血管や神経などの感染組織を残さず丁寧に取り除いていきます。

ステップ2:根管の長さを測定し、清掃・消毒する

感染組織を取り除いた後、「ファイル」と呼ばれる細いヤスリのような専用の器具を用いて、根管の深さ(長さ)を正確に測定します。人の根管系は歯の種類や人によって形が様々であり非常に複雑なため、器具を用いて物理的に汚れを掻き出すだけでなく、化学的な清掃剤や貼薬剤を使って内部をくまなく洗い流し、徹底的に清掃・消毒します。

ステップ3:根管内に薬剤を詰める(根管充填)

根管内の細菌が十分に除去され、清潔な状態になったら、再び細菌が侵入して増殖するのを防ぐために「根管充填(こんかんじゅうてん)」を行います。複雑な形状をした根管の隙間に合わせて、専用の薬剤を充填し、隙間ができないよう慎重に作業し、最後にしっかりと密封します。

ステップ4:土台を作り、被せ物(クラウン)を装着する

根管の充填が完了した後は、削って失われた歯の大部分を補うために、土台(支台築造)を作ります。その後、歯の機能をしっかりと回復させるために被せ物(クラウン)を装着して覆います。これにより、再び噛む力をかけられるようになります。

治療にかかる期間や回数の目安

根管治療は複雑で難易度が高いため、複数回の通院が必要になるのが一般的です。初めて治療を行う比較的シンプルな症例(単根管歯の抜髄など)の場合、1回で終わることもありますが、基本的には2、3回の来院が必要になります。治療と治療の間は2週間ほど期間を空けることが多く、スムーズに進めば半月、回数が増えても1ヶ月から1.5ヶ月くらいの期間が目安となります。根管の形状の複雑さや炎症の度合いによって期間や回数は増減します。

根管治療の痛みと費用について

治療を検討する上で、多くの人が最も懸念するのが「痛み」と「費用」です。それぞれの実態について詳しく見ていきましょう。

治療中や治療後の痛みはどのくらい?

根管治療の治療中は、基本的に歯科麻酔剤を使用するため、激しい痛みを感じることはほとんどありません。治療後は患部周辺に1〜2時間ほど麻酔の効果が残ります。麻酔が切れた後の痛みについても、通常は治療後1〜2日ほど違和感や軽い痛みがある程度に治まることが多いとされています。もし強い痛みや腫れが続く場合は、受診した歯科医院に相談してください。

根管治療にかかる費用の目安(保険適用と自費診療)

根管治療には公的医療保険が適用される「保険診療」と、全額自己負担となる「自費診療」の2つの選択肢があります。保険診療の場合、窓口での負担割合が3割であれば数千円〜1万円程度が目安となりますが、具体的な費用は受診する医療機関での検査内容や処置によって変わるため、事前に受診時に尋ねることが推奨されます。一方、精密な設備や特別な薬剤を使用する自費診療を選択する場合、費用は医療機関によって異なります。事前に見積もりや治療計画を確認し、納得した上で選択することが大切です。

根管治療を失敗しないための3つのポイント

複雑な根管治療において、再発を極力防ぎ、治療の成功率を高めるために知っておくべきポイントを紹介します。

ポイント1:治療の成功率を高める「精密根管治療」を知る

根管は細く暗く、さらに複雑に湾曲しているため、肉眼だけの治療には限界があります。より安全で確実な治療を目指すために、先進的な設備を用いた精密根管治療を導入している医療機関を選択肢に含めるのも手です。

歯科用CTによる精密な診断

歯科用CTは、従来のレントゲンでは判別が難しかった根管の立体的な走行や、根の先にできた病変の大きさなどを3次元的に正確に把握するのに役立ちます。

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)による精密な処置

マイクロスコープを使用することで、暗く狭い根管内部を数倍から20倍程度にまで拡大して直接視認しながら治療を行えるため、細かな感染組織の見落としを減らすことができます。

ラバーダム防湿による細菌感染の防止

ラバーダム防湿は、治療する歯だけが見えるように薄いゴムのシートで覆って隔離する前処置です。これにより、唾液に含まれる細菌が治療中の根管内に入り込むのを防ぎ、無菌的な治療を進めることが可能になります。

ポイント2:信頼できる歯科医院を選ぶ

根管治療は技術的な難易度が非常に高いため、治療にあたる歯科医師の経験や注力度が結果を左右します。アメリカなどの諸外国では、一般的な歯科治療と、根管治療の専門家(エンドドンティスト)による治療が明確に分かれているほどです。充実した設備が整っているか、根管治療に対する専門的な知見や実績を豊富に持っているか、そして治療内容や想定されるリスクについて事前に分かりやすく丁寧な説明をしてくれるかなどを基準に、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。また、現在他院で治療中の場合でも、セカンドオピニオンとして相談できるかどうかを確認しておくと安心です。

ポイント3:治療を受ける上での注意点を守る

治療が失敗してしまう原因には、患者自身の行動が関わっていることもあります。以下の2つの注意点は守るようにしましょう。

治療を途中で中断しない

根管治療を途中で止めてしまうと、仮の蓋の隙間から細菌が再び侵入して大増殖します。これにより、以前よりも症状が悪化し、最終的には抜歯が必要になるケースが多くあります。

治療中の歯で硬いものを噛まない

根管治療を行っている期間の歯は、内部を大きく削られているため非常に脆く、強度が低下しています。この状態で硬いものを噛むと、歯が欠けたり、根元から割れてしまったりして痛みが出る可能性があります。治療中の歯への負担を避けるため、食事の際は反対側の歯で噛むように意識しましょう。

治療後のリスクと再発した場合の対処法

どれほど精密な治療を行っても、一定の確率で再発や予期せぬリスクが生じる場合があります。万が一に備え、再発時の知識も持っておきましょう。

根管治療ができない、または再発するケース

根管治療を施しても状態が改善しなかったり、数年後に症状が再発したりすることがあります。これにはいくつかの原因が存在します。

歯根が割れている(歯根破折)

歯根破折(しこんはせつ)とは、歯の根っこの部分が割れたり、ヒビが入ったりしてしまう状態です。歯茎の腫れ、噛んだときの違和感、神経を抜いた歯の痛みなどが出ることがありますが、内側から進行するため気が付きにくいのが特徴です。歯根破折は多くの場合抜歯となりますが、症状が軽い場合や折れ方によっては保存できることもあります。

根管内の細菌が除去しきれない

人の根管は非常に複雑に入り組んでおり、枝分かれした細い管の奥深くに潜むすべての細菌を完全に除去することは、どれほど精密な治療技術をもってしても極めて困難です。除去しきれなかった微量な細菌や、新しい虫歯(二次う蝕)によって侵入した細菌が、時間の経過とともに再び増殖して再発の原因となります。

再発した場合の治療法

再発してしまった場合でも、状態に応じて以下のような複数のアプローチが検討されます。

再根管治療

再発した際の選択肢として、再度根管治療を行う「再根管治療」があります。既存の歯科材料を取り除いた上で、器具や薬液で根管系を清掃し、改めて新しい根管充填を行います。

歯根端切除術(外科的歯内療法)

通常の根管治療では器具が根の先まで届かないような場合、外科的な手法を採ることがあります。歯茎を少し切開し、根の先端にできている膿の袋(嚢胞)を根の先の一部とともに直接切除する治療法です。

抜歯(インプラント・ブリッジ・入れ歯)

歯根破折が重度である場合や、どのような治療を施しても細菌による炎症をコントロールできない場合は、抜歯が必要になります。抜歯後は、噛む機能を補うために「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」といった選択肢の中から、自身の生活様式や予算、お口の状況に合った方法を選択していくことになります。

根管治療に関するよくある質問

根管治療に関して、多くの患者様から寄せられる代表的な質問に回答します。

Q. 根管治療をした歯の寿命はどれくらいですか?

根管治療を行った歯の寿命は、残っている健康な歯の量や本数、位置、噛み合わせの強さ、歯ぎしり・食いしばりの有無などの条件に左右されます。ただし、感染が十分に除去され、その後の適切なケアによって二次虫歯や歯周病、破折を防ぐことができれば、一生涯にわたってその歯を保存することが可能な場合もあります。

Q. 治療を途中でやめるとどうなりますか?

根管治療を途中で止めてしまうと、一時的に痛みが引いていたとしても、根の内部で急激に細菌が増殖します。その結果、歯の根を支える周囲の骨が溶かされ、最悪の場合は治療が不可能となり、抜歯を選択せざるを得なくなります。

Q. 根管治療は保険適用されますか?

公的医療保険を利用した根管治療は広く普及しており、基本的には保険を適用して治療を受けることが可能です。ただし、歯科用CTやマイクロスコープ、ラバーダム防湿といった精密な設備を用いた自費診療を希望する場合は、全額自己負担となります。どちらの治療法がご自身の症状に適しているか、受診される歯科医院でよく相談されることをお勧めします。

まとめ

根管治療は、重度の虫歯から自分の大切な歯を守り、抜歯を回避するための極めて重要な治療法です。そのプロセスは非常に精緻で時間がかかるものですが、放置すれば抜歯に至る歯を残せる大きなメリットがあります。痛みへの不安や通院期間、費用の問題など、懸念点があるかと思いますが、設備が整い親身に寄り添ってくれる信頼できる歯科医院を見つけ、最後まで治療を受け切ることが大切です。治療後の定期的なメンテナンスも欠かさず行い、健康な食生活を守り続けましょう。

本記事は一般的な情報の提供を目的としています。詳しい診療内容・費用に関しては当サイトのページをご参照ください

この記事の執筆者

光本院長の写真

院長・歯科医師

光みつ本もと 和かず世よ

  • 昭和大学歯学部 卒業
  • 昭和大学第二口腔外科学教室 入局
  • ペンシルベニア大学(米国)留学
  • 福原矯正歯科研究所 入局
  • 医療法人社団桜津会 光本歯科 開業
  • 医療法人社団桜津会 パルテノン歯科 開業
資格
歯学博士 / 日本口腔インプラント学会 専門医
所属学会
日本口腔外科学会 / 日本矯正歯科学会 / 日本口腔インプラント学会 / Center of Implant Dentistry (CID) Club / ICOI(International congress of oral implantologists)/ ITI公認 インプラントスペシャリスト
所属会員
日本歯科医師会 / 東京都歯科医師会 / 渋谷区歯科医師会

パルテノン歯科

〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-55-11 ヴィラパルテノンアネックス101

  • JR線「原宿駅」竹下口より 徒歩4分
    「北参道駅」2番出口 徒歩3分
    「明治神宮前駅」2番出口 徒歩5分

  • 駐車場2台まで完備(要予約)

  • お問い合わせ03-5772-6497

診療時間 月 火 水 木 金 土 日
- ● ● ● ● ● ● ー
- ● ● ● ● ● ● ー
【休診日 : 日曜日・祝日】